ネットワーク時代のテロリズム 北朝鮮によるサイバーテロの脅威が高まる中で、安全保障の側面からサイバー攻撃の実態などをコンピュータの知識のない向けに解説してある本書は、非常に有益であった。 この書は、韓国のサイバーテロ学会の関係者により翻訳されため、韓国の友人から紹介された。韓国で発刊直後に翻訳されただけあって、多くの示唆を与えてくれた。 サイバーテロに関しては、被害の大きさなどは日本では余り報道されないので、SF小説のような世界であったり、コンピューター技術の話だったりだと思っていたが、目に見えない脅威について力説する本書は現代の安全保障に本質を突いているかと考えさせられた。
内容が薄い あまり内容が無い。ネットワークやITを使った犯罪的脅威の一覧情報を提供してくれるが、それぞれの脅威の実際の仕掛けについての簡単な説明がほしいところだ。本書にはそれがほとんど無い。 それぞれの脅威の「名前」「カテゴリー」をかいつまんで順番に説明しているし、おそらく通常の考えられるネットワークとITでの脅威を網羅しているようだが、それらの攻撃手法があまりに大雑把な説明で、具体的な「攻撃実体」が示されていないために、おそらく本書を読むであろうコンピュータ初中級者ではイメージがまったく湧かないだろうし、おもしろくないだろう。 本書は、コンピュータをまったく触ったことが無い「企業幹部」といった人が会社の危機管理の為に仕方なく読むような使い方ぐらいしか思い浮かばない。多少ともネットワークやITを使っている人にとっては、もう少し踏み込んだ説明をしている「コンピュータウイルスとは」といった本の方が良い。 と、ここまで書いていて、今発見した。本書目次の次に自由党幹事長 藤井裕久さんからのご挨拶があった。 本書はどうやら「お上」の肝入りのよくある・いわゆる外郭団体発行物らしい。 どおりで多くの「危機」を執拗に強調している割に、対策についてはあまりページを割いていない訳だ。
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